「Blue Planet Report」を発刊 ― 地域と自然と共に未来を描く

~自然電力グループの地域や自然環境保護の取り組みを紹介~

2025.10.09[お知らせ]

このたび、自然電力グループのサステナビリティの取り組みを取りまとめた「Blue Planet Report」を初めて発刊いたしました。本レポートは、自然電力グループがこれまで取り組んできた地域・環境への実践事例と、今後の課題・展望をまとめたものです。

※ダウンロードはこちら

大規模な再生可能エネルギー開発には、マクロの課題(地球全体の脱炭素・電力供給)とミクロの課題(地域の自然・文化・経済)が存在しています。これらを両立させることが私たちの大きな挑戦です。私たちはこの状況だからこそ、「地域と自然と共にある再エネ」を追求し、地域と自然の価値を同時に守り次世代につなぐことを目指しています。

自然電力グループは「青い地球を未来につなぐ」というパーパスを掲げ、創業以来一貫して、地域社会を再生可能エネルギーでつなぎ、新たな資本の流れを創出することで、不平等に取り組み、地域や人々の持つ力を高めることを目指してきました。

私たちは単に再生可能エネルギー発電設備を開発・建設することを目的としていません。再エネが生み出した経済的価値を独占するのではなく、地域に還元し、社会課題の解決につなげる「価値の循環」を実現することが、我々のパーパス「青い地球を未来につなぐ」の実現、持続可能な未来につながると信じています。またそのためには、地域・自然環境・経済性のバランスを保つことが不可欠だと考えています。

このレポートは、私たちがこれまでに達成した具体的な成果、そこから学んだ教訓、そして将来の課題を反映しています。「地球を守ることは単なる責任ではなく、より良い未来を築くチャンスである」。同じ志を持つ様々なステークホルダーの皆様と、今後も共に行動を続けてまいります。

◆ 内容紹介 – 地域での取り組み

私たちは、発電所の収益の一部を活用し、発電所が立地する地域の未来を育む取り組みを進めています。これを「1% for Community®」と呼び、単なる寄付にとどまらず、農業や教育、文化や環境保全など、多様な活動を支援してきました。

● 熊本県合志市
自然電力は2014年から、熊本県合志市の農業振興を継続的に支援しています。発電所の売電収益は、用水路などの農業インフラの整備・改善だけでなく、地域の農業活性化に向けた人材育成事業、新品種開発支援事業、新商品開発事業にもなどにも活用されています。さらに、2020年には、自然災害への対策を強化するための災害協定を市と締結しました。

● 三重県南伊勢町
売電収益の一部を毎年寄付し、登山道や河川堤防の整備、漁場の生態系や藻場の保全活動に活用。自然と共に生きる地域の営みを支えています。

   

● 長野県王滝村
2019年、自然電力と王滝村は「王滝村スキー場跡地太陽光発電所に関する協定書」を締結し、環境保全に留意した設計のもとで発電所を建設することに合意しました。村や住民との対話を経て、周辺環境への影響に配慮した設計を行っています。用地選定段階から眺望点からの景観に配慮し規模の縮小等を行い、住民要望を受けて土砂流出の危険性を低減させる水路の設置なども行いました。さらに、2022年8月には「地域貢献事業に関する基本合意書」を締結、売電収入の約1%を20年間、王滝村の教育事業に寄付することで合意しました。王滝村は寄付金を「王滝村奨学金返済支援補助金制度」の原資として活用、IUターンの若者世代の奨学金返済支援を行っています。

◆ 内容紹介 – 自然環境への取り組み

私たちは、脱炭素を超えて、発電所が「自然をより豊かにする存在」になることを目指しています。
2024年からは、環境への影響を「マイナスをゼロにする」だけでなく「プラスに変える」挑戦をスタートしました。設計や工事、運転のあらゆる段階で、自然を回復・再生させる仕組みを組み込む取り組みです。その実現に向け、TNFD(自然関連財務情報開示)やGBF(昆明-モントリオール生物多様性枠組)といった国際的な枠組みに基づき、「ネイチャー・ポジティブへのロードマップ」を公式方針として掲げています。

自然電力グループは、地域と自然に寄り添いながら、再生可能エネルギーの新しいかたちを探求し続けています。「Blue Planet Report」が、未来を思い描き、ともに歩んでいくための小さなきっかけとなれば幸いです。