Shizen Connectの電力小売向け低圧VPPサービスが需要創出DRに対応
- 家庭用蓄電池の制御により再エネ電源の有効活用に貢献 -
VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、小売電気事業者の低圧VPP運用を支援する「機器制御型DR支援サービス」の一環として、需要創出DR(*2)のサービス提供を開始いたします。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再エネ電源の導入が急速に進んでいます。太陽光や風力などの再エネ電源は、温室効果ガスの排出量が少ない反面、天候の変化などにより発電量が変動します。現在では電力需要を超えた電力供給を抑える目的で、再エネの発電量が増加する時間帯を中心に発電を停止する「再エネ出力制御」(*3)が日本各地で行われ、再エネ電源を有効活用しきれていないことが課題となっています。
この課題に対し、需要家側機器の稼働や蓄電池の充電により特定の時間帯の電力需要量を増やすことで再エネ出力制御量を削減しようとするのが「需要創出DR」です。
Shizen Connectは、自社で開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)を活用し、家庭用蓄電池やヒートポンプ給湯器、EVなどの低圧リソースを遠隔制御することで、需給ひっ迫対策や小売電気事業者の電力調達コストと容量拠出金の削減、さらに今後は各種電力市場での取引に活用する「機器制御型DR支援サービス」(図1。以下、本サービス)の提供を、2023年5月に開始しました。本サービスは複数の大手小売電気事業者に採用されており、その市場シェアは合計35%に達しています(*4、*5、*6、*7、*8)。
本サービスの一環として提供を開始した需要創出DRサービスでは、本サービスの加入者が保有する家庭用蓄電池を制御対象として、電力需要が小さく再エネ電源の発電量が大きい昼間へと蓄電池の充電時間帯をシフトさせる制御を行うことで、需要創出DRを実現し、再エネ電力の有効活用に貢献します(図2)。需要創出DRサービスに対する小売電気事業者のニーズは高く、既に小売電気事業者へのサービス提供を開始しており、今後も各社への導入を拡大してまいります。
本サービスは今後も、「Shizen Connect」の特長の一つである「マルチパーパス」の理念に基づき、需給調整市場や容量市場向けの制御など、提供する制御種類を拡大していく予定です。
Shizen Connectは引き続き、幅広いパートナーと共に、脱炭素化社会の実現に向け貢献を続けてまいります。
図1:本サービスのスキーム
図2:需要創出DRのイメージ
*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散する電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備をあたかも一つの発電所のように集合制御するデジタル技術の総称。
*2 DR(ディマンド・リスポンス)制御:電力の需要と供給のバランスをとる目的で、需要家側の電力使用量を制御することによって電力パターンを変化させること。なかでも、需要家側機器の稼働や蓄電池の充電によりある時間帯の電力需要量を意図的に増やすことを「需要創出DR(上げDR)」と呼ぶ。
*3 再エネ出力制御:エリアにおける電力供給量が需要を上回る際に再エネ電源の発電を停止すること。
*4 新電力ネット「全国の販売量(低圧・電灯)ランキング(2024年10月実績)」より当社試算
*5 東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用(2024年4月23日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/04/23/shizen_connect_igniture_saas/
*6 東京電力エナジーパートナーが低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年6月21日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/06/21/sc_tepco_adopt_dr_support/
*7 東北電力が低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年9月26日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/09/26/sc_tohoku_el_drservice/
*8 北陸電力が低圧VPP運用にShizen Connectを採用(2024年11月28日付プレスリリース)
https://www.shizenenergy.net/2024/11/28/sc_drservice_rikuden_2024/
【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について】https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力などに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産、西鉄グループなどに採用されています。「Shizen Connect」は、DR・VPPプラットフォームの法人契約数ベースの市場シェアNo.1を獲得しています(富士経済調べ、2023年度)。
【株式会社Shizen Connect 会社概要】https://se-digital.net
会社名 :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立 :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%(大阪ガス㈱、㈱JERA、四国電力㈱、新日本空調㈱、㈱ソラコム、ダイキン工業㈱、東急不動産㈱、東京ガス㈱、西日本鉄道㈱、北陸電力㈱、北海道電力㈱及び事業会社1社(社名非公表)の計12社と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結)
代表者 :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など