東京ガスのソリューション「IGNITURE蓄電池」の制御プラットフォームとして「Shizen Connect」を採用

- 新たに京セラの家庭用蓄電池の遠隔制御サーバーと連携し制御対象に -

2024.04.23[プレスリリース]

 VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、自社で開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)が、東京ガス株式会社(以下、東京ガス)のソリューション事業ブランド「IGNITURE」のご家庭向けソリューションとして開始する「IGNITURE蓄電池」(2024年4月23日発表 *2)における制御プラットフォームとして採用されたことをお知らせいたします。本案件は「Shizen Connect」の機器制御型DR支援サービスとして初のSaaS(Software as a Service)提供の事例となります。

 Shizen Connectは2023年5月より、家庭用蓄電池メーカー4社と連携して、需給ひっ迫対策と電力調達コスト削減を目的とした「機器制御型DR支援サービス(*3)」を東京ガスに提供してきました(*4)。これまではShizen Connectが制御委託を受け代行で運用していたところを、今回のSaaS利用開始に伴って新たにシステム連携を行い、東京ガスの制御指令に基づく運用を実現しております。
 また今回の採用に際して、京セラ株式会社の家庭用蓄電池の遠隔制御サーバーとのクラウド連携を実現し、制御対象に加わりました。結果として「Shizen Connect」の機器制御型DR支援サービスにおいて制御可能な家庭用蓄電池メーカーの国内市場シェアは合計で約57%(*5)に達しました。

 「Shizen Connect」の特長の1つに「ベンダーフリー」があります。前述のとおり家庭用蓄電池メーカーとクラウド連携していることに加え、その他の家庭用蓄電池メーカーとも当社製エッジ端末「Shizen Box」経由での連携を進めています。さらには家庭用蓄電池以外でも、EV普通充電器やV2H機器、エコキュート等、幅広いメーカーの多様な機器と連携し制御することが可能です。
 また、もう1つの特長が「マルチパーパス」です。機器制御型DR支援サービスでは既に、需給ひっ迫対策や卸市場価格に連動した電力調達コスト削減、容量拠出金削減などのDR制御に対応しています。需給調整市場の全ての種類の調整力制御、容量市場の発動指令電源としてのDR制御を含む網羅的な実証が完了しており(*6)、さらに2024年中にはエコキュートを活用した上げDR(需要創出DR)の実証も予定しており、今後の商用サービス展開を目指しています。

  「Shizen Connect」をSaaS利用することで、リソースアグリゲーター(*7)は、自社のノウハウを活用して自ら制御計画を立案することが可能になります。一方、制御においては「Shizen Connect」の機能を活用し、幅広いメーカーの各々仕様の異なる蓄電池やその他のエネルギー機器に対して、必要とされる各種のDR制御を、自社でシステム開発・運用の手間をかけず柔軟に実施することができます。

 Shizen Connectでは今後も引き続き、幅広いパートナーと共に、脱炭素化社会の実現に向け貢献を続けてまいります。

図1:本案件におけるSaas提供の概要
*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること
*2 家庭用蓄電池の充放電を制御する「IGNITURE蓄電池」を提供開始(2024年4月23日付プレスリリース)
 https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20240423-03.html
*3 機器制御型DR支援サービス:需要家の保有する家庭用蓄電池、その他のエネルギー機器を遠隔制御することにより電力の利用パターンを変化させ、小売電力事業者のニーズに応じて電力受給のバランスをとったり、調整力を創出したりするサービス
*4 東京ガスの機器制御型DR支援サービス採用については下記参照
 小売電気事業者向けに需給ひっ迫対策とコスト削減を行う 「機器制御型DR支援サービス」を提供開始(2023年5月15日付プレスリリース)
 https://www.shizenenergy.net/2023/05/15/digital_dr_support/
*5 「月刊スマートハウス」No.108(2024年2月号)の蓄電池メーカーシェアに基づき当社試算
*6 DR制御の網羅的な実証については下記参照
 自然電力、経産省の再エネアグリおよびDERアグリ実証事業採択を受け、 蓄電池メーカー複数社と共同で小売電気事業者向け調整力等の創出へ(2022年6月1日付プレスリリース)
 https://www.shizenenergy.net/2022/06/01/aggregation_demonstration_project/
*7 電力ユーザーと直接契約を結んで蓄電池等の分散型リソースの制御や管理を行う事業者

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」は再エネ発電設備や蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。蓄電池やEV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッド制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカーに依存することなくエネルギーリソースは自由に選定できます。

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号 
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL   :https://se-digital.net