自然電力株式会社

自然電力株式会社（以下、自然電力）がグループ会社を通じて出資した、ベトナムのハイアン・クアンチ風力発電株式会社（以下、ハイアン・クアンチ）が開発・建設した陸上風力発電プロジェクトにおいて、当局が求める試験および試験監督に関する詳細な技術要件を満たし、同発電所が2025年11月発効の商業運転開始日（COD）証明書を取得したことをお知らせいたします。

自然電力は、ベトナムにおける再生可能エネルギープロジェクトの推進を目的として、ベトナムのクアンチ省で陸上風力発電プロジェクトを開発・建設するハイアン・クアンチとの間で、2024年6月13日にグループ会社を通じた株式譲渡契約を締結しました。この譲渡は、2025年5月13日にクアンチ省財務局から正式に承認されています。

ベトナムでは、急速な経済成長により電力需要が近年増加しています。2016年から2024年にかけて、電力消費量は158TWhから276TWhに増加しました（年平均7.2％）。改訂された第8次電力開発計画（2025年）では、2026年から2030年にかけて、GDP成長率が年率8～10％、それに伴う電力需要の伸びが年率10.3～12.5％になると予測されています。今後数年間の電力需要を満たすため、ベトナムは陸上および沿岸風力発電容量を2030年までに26,066～38,028MW、2050年までに84,696～91,400MWに拡大することを目標としています。

本プロジェクトは、ベトナム中北部に位置するクアンチ省フオンホア県で、合計40MWの陸上風力発電システムを導入するものです。建設は2024年1月に着工し、2025年11月に運転開始を予定しています。本プロジェクトでは、出力5,000kWの上海電気社製タービンを8基設置し、合計出力は約40MW、年間発電量は約106MWhを予定しています。発電された電力はベトナム電力（EVN）に売却され、年間35,344トンの温室効果ガス排出量削減に貢献する見込みです。本プロジェクトは、環境省が実施する令和4年度（2022年度）「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業^*1」に採択されています。

本プロジェクトは、ベトナムと日本の二国間クレジット制度の下で承認された初の風力発電プロジェクトであり、自然電力グループにとって、ベトナム国内で2件目となる風力発電プロジェクトとなります。

自然電力およびハイアン・クアンチは、このプロジェクトに続き、ベトナムにおけるさらなる風力発電プロジェクトの開発を継続し、同国の脱炭素化に貢献してまいります。

事業概要

*1 二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業では、パートナー国において優れた脱炭素技術等を活用して温室効果ガス（GHG）の排出量を削減し、GHG排出削減効果の測定・報告・検証を行い、JCMクレジットを発行し、我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に活用することを目指します。なお、本プロジェクトはベトナム政府と日本政府の協力の下で実施されています。

ハイアン・クアンチ風力発電株式会社について
ハイアン・クアンチ風力発電株式会社は、クアンチ省で陸上風力発電プロジェクトを開発・建設する企業であり、2003年に設立されたHai Anh Trading and Technologies JSCの子会社である。Hai Anh Trading and Technologies JSCは、オートメーション、デジタライゼーション、メカニカルドライブ、産業機器の分野で、機器提供と技術ソリューションの統合におけるリーディングカンパニーとなることを使命としている。

自然電力株式会社について　https://www.shizenenergy.net
2011年6月設立。「青い地球を未来につなぐ」というパーパスを掲げ、太陽光、風力、バイオマスといった再生可能エネルギーを活用し、環境負荷を最小限に抑えながら地域経済の発展にも寄与する持続可能なソリューションを創出するとともに、再生可能エネルギーへの世界的なシフトを加速させるという使命を推進している。2016年からは、東南アジアやブラジルでのプロジェクトを通じて国際的な事業展開を拡大。2019年にはエネルギーテック事業に参入し、自社開発のエネルギー管理システム（EMS）を通して、マイクログリッド、仮想発電所（VPP）の構築、スマートEV充放電サービス等のイノベーションを提供。国内外のグループ全体で1ギガワット以上の再生可能エネルギー発電事業に携わり、業界をリードする。