小売電気事業者向けに需給ひっ迫対策とコスト削減を行う 「機器制御型DR支援サービス」を提供開始

第1号案件として東京ガス株式会社「夏の節電キャンペーン2023」において本サービスを採用

2023.05.15[プレスリリース]

グリッドシェアジャパン株式会社(*1)、スマートソーラー株式会社、ニチコン株式会社オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社の蓄電池メーカー等(*2)の4社および、分散型エネルギーリソースプラットフォーマーの自然電力株式会社の合計5社は、バーチャルパワープラント(以下「VPP」)(*3)により需給ひっ迫対策と電力調達コスト削減を小売電気事業者向けに提供する商用サービス「機器制御型DR支援サービス」(以下、「本サービス」)を2023年5月15日より開始いたします。
その第1号案件として、2023年7月1日より実施される東京ガス株式会社「夏の節電キャンペーン2023」において本サービスを採用いただくことが決定しました。

また、本サービスプラットフォームの更なる拡大を目指し、蓄電池メーカーのオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社およびEV充電器メーカーの株式会社ジゴワッツ、株式会社プラゴが加わり、2023年5月中旬より第2回目となる実証を実施いたします。
第1回目実証に関するプレスリリース:https://www.shizenenergy.net/2022/10/28/digital_retail-storage-vpp/

商用サービス参加企業

オムロンソーシアルソリューションズ株式会社

グリッドシェアジャパン株式会社

スマートソーラー株式会社

ニチコン株式会社

第二回実証参加企業

株式会社ジゴワッツ

株式会社プラゴ

アグリゲーター

自然電力株式会社

昨今、電力需給のひっ迫および市場価格の高騰は小売電気事業者にとっての大きな課題となっています。本サービスでは、自然電力のエネルギーマネジメントシステム「Shizen Connect」(*4)を活用し、蓄電池メーカーの遠隔制御システム等と連携して家庭用蓄電池をクラウド経由で遠隔制御することで、調整力を創出し、小売電気事業者の電力調達コスト削減に寄与します(図1)。

本サービスの提供にあたり、2022年12月より第1回実証を実施し、「Shizen Connect」を活用した各メーカー製蓄電池の遠隔制御に関する技術検証と、ビジネスモデルや経済性の検討を行ってきました。第1回実証(以下、「本実証」)の結果、本実証に参加した蓄電池メーカーの遠隔制御システム経由で、既に制御可能となっている家庭用蓄電池の台数は、2023年4月末時点で合計約6.2万台にのぼります。
2023年5月中旬より開始する第2回実証では、遠隔制御対象として新たにEV充電器を追加し技術検証を行うとともに、商用サービス開始を想定したプロセス検証を実施いたします。

本サービスは、「Shizen Connect」をプラットフォームとして家庭用エネルギーリソースのメーカーと小売電気事業者の間をつなぎ、双方を拡大していくことで相乗効果として経済的メリットが高まってゆきます。今後は、家庭用蓄電池に加えてEV充電器やその他の家庭用エネルギーリソースを制御対象として追加するとともに、小売電気事業者による本サービスの採用を拡大することで、本サービスの成長とともに、これを通じた社会課題の解決を目指します。

■本サービスの提供価値
・家庭用蓄電池等の家庭用エネルギーリソースを活用した小売電気事業者の電力調達コスト削減(*5)
・家庭用エネルギーリソースのメーカーと小売電気事業者、双方の社数が増えるほど、相乗効果で経済的メリットが拡大
・制御用IoT機器を新設することなく既設の家庭用エネルギーリソースを制御可能(クラウド連携による制御の場合)

■参加者募集
東京ガス株式会社「夏の節電キャンペーン2023(蓄電池オプション)」
URL: https://drlv.tokyo-gas.co.jp/campaign/dr2023_summer_kiki.html?mkcd=9830103

1:本サービスのスキーム2:電力調達コスト削減のメカニズム

*1 グリッドシェアジャパン株式会社は、株式会社NFブロッサムテクノロジーズ製の家庭用蓄電池の制御を行うリソースアグリゲータ―。
*2 Shizen Connectと連携済みの各蓄電池メーカーの遠隔制御システムで制御可能な家庭用蓄電池の総数。サービス開始にあたっては顧客同意が必要。
*3分散する電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備をあたかも一つの発電所のように集合制御するデジタル技術の総称。
*4「Shizen Connect」(シゼンコネクト)は、再エネ発電や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲーション・エネルギーマネジメントシステムです。住宅の太陽光発電と蓄電池、V2H機器などの制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッドの制御、数千台規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。これまで分断されがちな個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供できるので、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられ、またベンダーフリーのためメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。
Webサイト:https://se-digital.net/connect
*5 将来的に需給調整市場や容量市場などの市場取引に対応することも目指します。

 

【各社企業概要】

■グリッドシェアジャパン株式会社
グリッドシェアジャパンは、伊藤忠商事の100%子会社として2018年に設立以来、蓄電システムと連携するAI(人工知能)を提供することで、日々の発電量と電気使用量を予測、蓄電システムの適切な充放電をコントロールし、経済的で安心なエネルギーライフを提供してきました。スマート家電のネットワークやEVともつながることで、さらにかしこく、計画的な電気の利用の実現や、地域コミュニティ内でのエネルギーのシェアなど、多くの人が安定した電力を利用できる「分散型エネルギー社会」を目指します。
URL: https://www.gridshare.co.jp/

■株式会社ジゴワッツ
ジゴワッツは、「ゼロをイチにするものづくりで社会を結び、未来の当たり前をつくること」をミッションとし、「Simple」 「Flexible」 「Connected」であるEV用普通充電器の普及に向け、2014年の創業以来開発に取り組んでおります。世界最小クラスであり、グッドデザイン賞を受賞した超小型モデル「Ella(エラ)」のほか、2021年3月には国内最高出力となる8kWの産業用普通充電器(JW-EVSE-8KI)をローンチする等、常に時代の先を行く開発に取り組んでおります。誰もが簡単にエネルギーマネジメントをすることができるEV用普通充電器を提供することで、EVの普及に伴う電力問題を解決してまいります。
URL: https://jigowatts.jp/

■自然電力株式会社
2011 年 6 月設立。「青い地球を未来につなぐ」を掲げ、太陽光・風力・小水力・バイオマスによる再生可能エネルギー発電所の開発・資金調達・アセットマネジメントを手掛け、これまでグループとして国内外で 1 ギガワット以上の再生可能エネルギー発電事業に携わってきました。2016年より海外事業にも注力しており、東南アジア・ブラジルを中心に開発・発電事業を展開。また、2019年からはエネルギーテック事業に参入し、自社開発のEMS(エネルギー管理システム)により、マイクログリットやVPPの構築やEVのスマート充放電サービス等を提供しています。
URL: http://www.shizenenergy.net

■スマートソーラー株式会社
スマートソーラーは、太陽光発電の専業メーカーとして、太陽電池用原料から蓄電池付太陽光発電システムの研究開発に取組み、住宅用太陽光発電においては屋根一体型太陽電池パネルや蓄電システムを開発、1万システムに及ぶ販売を行ってきました。公共産業用の分野では、全国の学校・庁舎等公的施設向けに蓄電池付太陽光発電システムを開発し約100カ所に設置してきました。更に、全国各地に200MWを超えるメガソーラー発電所を建設、維持管理を行い、2030年までに1GW蓄電池付太陽光発電所建設構想実現に向け取り組んでまいります。
URL: https://www.smartsolar.co.jp

■ニチコン株式会社
ニチコンは、1950年の創業当初より「明るい未来社会」を創るためのコトづくり、価値あるソリューションの提供を続けてまいりました。コンデンサ事業では、高度な「電源技術」を活かして、あらゆる電子機器に不可欠な各種コンデンサや関連製品の開発、製造、販売を行っています。また2010年からは環境エネルギー製品を開発販売するNECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業を立ち上げ、家庭用蓄電システムでは累計販売台数約13.3万台(2023年3月末)、2018年には太陽光、蓄電池、EV電池の3電池を統合制御できる「トライブリッド蓄電システム」を開発しました。また、EV・PHVからの電力を家庭で活用できる世界初の「V2H(Vehicle to Home)システム“EVパワー・ステーション®”」や、被災地の復旧支援など多用途に使用できる外部給電器“パワー・ムーバー®”、ポータブル蓄電システムなど社会課題の解決に貢献する革新的な製品を数多く創出しています。
URL: https://www.nichicon.co.jp/

■株式会社プラゴ
プラゴは「続けたくなる未来を創ること」をビジョンに掲げ、“充電インフラの未整備問題”“充電インフラの景観ノイズ”“サスティナブルなエネルギー供給”といった社会的課題に対応するため、EV充電機器の開発・設計からアプリケーション及び 利用者の充電体験の設計までを一貫して取り組み、オンライン予約・決済が可能なEV充電サービスや、視覚的ノイズを抑えた意匠性の高い充電機器、再生可能エネルギーで充電を行う仕組みの開発などを進めています。
今回の実証実験には、意匠性の高さから、公共充電だけでなく住宅や事業所など幅広い空間になじむ、遠隔制御対応のMode3タイプ普通充電器「PLUGO BOX」を開発提供していきます。
URL: https://plugo.co.jp/