大手小売電気事業者8社がShizen Connectによる低圧VPPの共同実証を実施

- 2024年夏の商用化を見据え、機器制御型DRサービスの経済性と技術性を実証 -

2023.12.05[プレスリリース]

VPPプラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は2023年12月5日、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社、スマートソーラー株式会社、ニチコン株式会社等の蓄電池メーカーとの協業により提供している低圧VPP(*1)運用サービス「機器制御型DR支援サービス」(以下、本サービス)に関し、ENEOS株式会社、四国電力株式会社、中国電力株式会社、東京電力エナジーパートナー株式会社、東邦ガス株式会社、東北電力株式会社、北陸電力株式会社、北海道電力株式会社の大手小売電気事業者8社での、2024年夏の商用導入を目指す実証を実施することを発表します。

 本サービスは、Shizen Connectのエネルギー管理システム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)を活用し、家庭用蓄電池などの低圧エネルギー機器に対し、充放電を遠隔制御することで、VPP(仮想発電所)を構築の上、調整力を創出し、小売電気事業者の電力調達コスト削減等に寄与するサービスです。

 本サービスが提供する制御は、2023年11月現在、小売電気事業者の卸市場からの電力調達コストや2024年度以降の容量拠出金を削減する制御、および電力需給ひっ迫時に資源エネルギー庁の要請に従い需給ひっ迫を緩和する制御です。今後は、既に実証を終えている容量市場や需給調整市場向けの制御、更には再生可能エネルギーの出力制御(*2)を緩和する「需要創出DR制御(*3)」を商用化する予定です。

 Shizen Connectが提供するエッジコンピューター(*4)「Shizen Box」からの制御に加え、クラウド連携している蓄電池メーカー各社の遠隔制御サーバーからの制御も可能であり、その場合には、制御対象である低圧エネルギー機器へのIoT機器等の追加設置は不要です。

 連携している蓄電池メーカーは2023年11月現在、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社、スマートソーラー株式会社、ニチコン株式会社等で合計の国内市場シェアは約50%(*5)、10万台を超える蓄電池が接続されています(*6)。今後、家庭用蓄電池の連携を広げつつ、電気自動車(EV)(*7)やヒートポンプ式電気給湯器機(エコキュート)等の低圧エネルギー機器への展開を予定しています。

 なお、本サービスは既に商用化されており、2023年7月の東京ガス株式会社の「夏の節電キャンペーン2023」の「蓄電池オプション」への制御を提供(*8)しています。

 今回、下記の通り、小売電気事業者各社での2024年夏の商用導入を目指し、本サービスの経済性および技術性の実証を、2024年2月より予定しています(表1)。

表1:実証実験概要

名称

機器制御型DR実証2023年冬

目的

Shizen Connectが提供する機器制御型DRサービスが、経済性と技術性において、2024年7月に商用導入が可能かを実証

実証期間(*9)

第1回(標準制御における経済性及び技術性検証):

 2024年2月 ~ 2024年3月

第2回(逆潮流や特殊な制御要件を考慮した検証):

 2024年6月 ~ 2024年7月

評価方式

  1. コスト削減効果のシミュレーション(卸調達コスト

  削減、容量拠出金削減)

  1. 技術性評価(卸調達コスト削減の制御指示に対する

  リソースの追従性)

Shizen Connectの役割

・制御計画の立案と制御指示

・コスト削減シミュレーション

・実証成果検証

・その他実証実験全体のとりまとめ 等

蓄電池メーカーの役割

・自社遠隔制御システムによる蓄電池制御の実施

小売電気事業者の役割

・制御要件の提供

・コスト削減シミュレーションに必要な情報提供 等

Shizen Connectでは今後も引き続き、各分野のリーディングカンパニーと共に、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。

 

*1 VPP(Virtual Power Plant: 仮想発電所):複数の分散型エネルギーリソースを、ICTを活用しひとつの発電所のように統合・制御し、電力の需給バランスを調整する仕組みのこと。
*2 再生可能エネルギー出力制御:電力需給バランスのため、または送電線制約解消のため、再生可能エネルギーの出力を意図的に低下させること。
*3 需要創出DR : 電力需給バランスのため意図的に電力需要を創出させること。
*4 エッジコンピューター: 機器の近くに設置されたIoT機器のこと。
*5 月刊スマートハウス調べに基づき当社で集計
*6 当社調べ
*7 EV充放電器メーカーとの実証については下記参照
 自然電力、経産省「DERアグリ実証事業」に採択(2023年6月16日プレスリリース)
 https://www.shizenenergy.net/2023/06/26/aggregation_demonstration_project_r5/
*8 東京ガスのDR支援サービス採用については下記参照
 小売電気事業者向けに需給ひっ迫対策とコスト削減を行う『機器制御型DR支援サービス』を提供開始(2023年5月15日付プレスリリース)
 https://www.shizenenergy.net/2023/05/15/digital_dr_support/
*9 当該期間中、各社とも順次実証を開始する予定です。

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について:https://www.se-digital.net/
「Shizen Connect」はエネルギー管理マネジメント・システムです。蓄電池、EV充電器などの個別制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッドの制御、大規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。分断されがちだった個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供でき、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられます。またベンダーフリーなのでメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。

【株式会社Shizen Connectについて】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都文京区本郷5-33-10 いちご本郷ビル3F
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力株式会社100%
代表者  :代表取締役 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL   :https://se-digital.net